名を持たぬ時代から
名を仮すこの社へ

ご祭神
仮宮神社のご祭神は、天照大神(あまてらすおおみかみ)――
日本神話において、万物を照らす太陽の神であり
皇室の御祖神としても知られる、至高の存在です。
古より、人々はこの御神名のもとに、病を癒し、災いを鎮め
光ある道へと導かれることを願ってまいりました。
天照大神の御神徳は、私たちの暮らしをあまねく照らし
心の奥深くにも光を届けてくださいます。
仮宮神社は、名も定まらぬこの時代において、
ひとりひとりの心に差し込む光――「内なる天照」の存在と
向き合う場所でありたいと願っております。

由緒について
形なき祈りにこそ
真の意味が宿る

かつて、この地には定まった社も名もなく、ただ静かに陽光の差し込む森が広がっていました。
人々はその中に、不思議と心が鎮まり、思いが整っていく感覚を覚え、いつしか自然と手を合わせるようになったと伝えられています。
ある折、ひとりの老翁が「名も形も持たぬからこそ、まことの祈りが宿る」と語り、小さな石を祀り、簡素な祠をしつらえたことが、この仮宮神社のはじまりとされます。
やがて時代は移ろい、祈りのかたちも変わっていくなかで、私たちはあらためて“祈るとは何か”を問う必要に迫られました。その原点に立ち返る場所として、あえて“仮”の名を冠したこの神社は、再び整えられ、天照大神をお迎えすることとなったのです。
名を持たぬ時代から、名を仮すこの社へ。形なき祈りにこそ、真の意味が宿る――仮宮神社は、その想いを今に伝える場所として、静かに皆さまをお迎えしています。
天と地をつなぐ
ふたつの御神徳

仮宮神社の境内には、主祭神・天照大神の御神意を受け、この世と神々の世界とをつなぐ役目を果たされた二柱の神をお祀りしております。
【猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)】
道開きの神として知られる猿田彦大神は、高天原から地上へと向かう神々を先導された御神徳を持ちます。
そのまなざしはまっすぐに進むべき道を見極め、迷いを祓い、正しい方角へと導いてくださるもの。人生の節目や旅立ちのとき、また道に迷ったときなど、心を整え、道を見出すための祈りを捧げる方が後を絶ちません。
【邇邇芸命(ににぎのみこと)】
天照大神の御孫神であり、天孫降臨の神話においては高天原より地上へと降り立たれた神さまです。豊かな稔りと国づくりを司り、平和と繁栄の象徴として古くから篤く信仰されてきました。人として地上を生きる私たちにとって、日々の営みや暮らしを支える力強い御神徳を授けてくださる存在です。
これら二柱の神は、仮なる宮においても、祈りの道筋と、地に根ざした豊かさを象徴する存在としてお祀りされています。天と地をつなぐこの神域にて、それぞれの願いを込め、どうぞ静かに手を合わせてみてください。